筋緊張異常とは何か?(part1)
2019年09月18日
こんにちは!増田です(。・∀・)ノ
みなさん、「筋緊張」という言葉を聞いたことはありますか?
筋緊張というのは、筋肉に持続的に生じている、筋の一定の緊張状態のことを指します。
私たちの身体についている筋肉は、何も活動していない時にも絶えず、わずかな緊張状態にあるのですが、
そのような筋の持続的な弱い収縮のことを「筋緊張」と表現します。
そして、この筋緊張が【亢進】・【低下】した状態を「筋緊張異常」と表現します。
先日、筋緊張異常についての研修会を受けたのですが、
その時に私が特に「大事だな!」と思ったポイントを、今日は少し整理して書いてみたいと思います。
脳卒中で入院していた方の中には「痙縮(痙性)」という言葉を耳にしたことがある方が多いと思いますが、
この「痙縮」というのは、上に書いた筋緊張異常の一つです。
「痙縮」の定義は、
「伸張反射の亢進の結果、筋伸張速度に依存した受動運動に対する抵抗の増大を主とするものである」(Lance1980)
…ということになるのですが、ここで大切なのは、「筋伸張速度に依存」という点です。
痙縮でみられる抵抗感というものは、「筋肉の伸ばされる速度が上昇している時だけ」生じるものです。
そのため、安静時に「皮膚・筋肉が硬い(筋緊張が亢進している状態)」=「痙縮」ではないのです。
脳卒中後に生じる「筋緊張異常」を作り出す原因の全てが「痙縮」だけではないということを、ご理解いただきたいと思います。
では、原因が「痙縮」だけではないのなら、他に何が問題なのでしょうか。
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筋緊張異常の要因には様々なものがありますが、大きく分類すると
① 神経機能の異常(一時的障害)…痙縮、筋強剛、弛緩
② 廃用症候群(二次的障害)…筋短縮、皮膚短縮、筋力低下
…というように分けられます。
脳卒中発症直後~入院中の状態であれば、「①神経機能の異常」が要因として大きく占めるのではないかと思われますが、
発症から時間が経過している方に関しては、「②廃用症候群」というものが要因として大きく占めている可能性があります。
当施設にお越し下さるお客様の中には、発症後数年経過されている方が多くいらっしゃいますが、
麻痺が残っている側の手・腕・足の皮膚・筋短縮が生じ、かなり硬くなっていることが多いです。
恐らく、退院後リハビリの頻度が減ってしまい、麻痺側をしっかりと動かす機会が減ってしまった・
生活を送る中で姿勢が徐々に崩れ、偏った身体の使い方をするようになっていたということが原因として挙げられると思います。
勿論、発症後すぐの方でも、発症前から運動不足・不良姿勢の状態が続いていたのであれば既に筋短縮が生じている部位がある方もいらっしゃると思います。
このように、筋緊張異常を引き起こしている要因というものは混在しているため、どのような時でもセラピストがしっかりと「評価」することが必要だと思います。
また、筋・腱の短縮が、痙縮を増大させてしまっている可能性が高いという研究結果も出ているため、
セラピストは短縮を起こしている筋・腱のセルフストレッチを患者・お客様に指導することも必要だと思います。
今回のブログは少し専門的な内容となってしまいましたが、なんとなくでもご理解いただければ幸いです。
最後に当施設では、どのように痙縮がある・皮膚や筋の短縮があるお客様に介入を行っていくのかご紹介させていただきたいと思いましたが、
だいぶ文章が長くなってきましたので、続きは次回、私のブログにて記載します!
更新をお待ちくださいませ♪(*´∨`*)