ボディーイメージと体温
2020年10月21日
こんにちは!OT増田です(´∪`*)
寒さが増してきている札幌ですが、寒さ対策はしっかりされているでしょうかっ?
引き続きコロナ対策は勿論ですが、マスク着用・手洗い・うがいで風邪予防をしっかりしていきましょうっ!
前回は冷え性に効く食べ物についてブログを書きましたが、今日はボディーイメージと「体温」について書いてみたいと思います。
私たちの脳の前頭葉と頭頂葉といった大脳皮質の少し奥まったところに「島皮質」と呼ばれる場所があります。
この「島皮質」という所は、痛覚、視覚、味覚、体性感覚、注意、感情などの諸感覚を統合する働きがあります。
例えば、この島皮質の後方に電気刺激を入れると痛みの感覚を再現できたり、
不快な情動体験時に両側の島皮質に高い神経活動が見られたり、
恐怖・嫌悪感・怒りなどの否定的感情をイメージしている時に島皮質が強く働きます。
特に島皮質は嫌悪の情動に深くかかわっていることが様々な研究で分かっています。
例えば、自分自身で不快な匂いを嗅いでいる時にも働きますし、他者が不快な匂いを嗅いでいる表情を観察する時にも働きます。
つまり、そうした嫌悪にあふれている表情には近づかないようにと、島皮質は自己の行動を抑制させる警告の作用を持っていると考えられています。
島皮質は前頭葉の深部の前部機能と、頭頂葉と側頭葉の境界付近の深部の後部とでその機能が分けられています。
前部は情動との関係が強く、後部は感覚との関係が強いと言われています。
また、島皮質は内臓感覚の中枢でもあるので、胃が痛いとか明確な局在がわからない痛みなどにも関わります。
さらに、島皮質は自律神経との関係が深く、右島皮質の前方は交感神経との関係によって活動を高め、左島皮質の前方は副交感神経の関係によって活動を高めることがわかっています。
自律神経機能のひとつである体温調節と自己の身体の保持感の相互関係を統合する機能を持っているといわれています。
また、皮膚温が低下すると自己の身体保持感が低下し、皮膚温が高まると自己の身体保持感が向上するといわれています。
このようにボディーイメージに関わる自己の身体保持感は体の温度との関わりが示唆されており、これの統合に一翼を担っているのが島皮質と考えられています。
いわゆる熱感覚と自己身体の気づきに関する両社の神経基盤をもつと考えられており、頭頂連合野とともに、島皮質は自己のボディーイメージを担う場所として近年注目されています。
冷え性が身体感覚を低下させ様々な運動障害を引き起こしたりするのも、この島皮質の機能低下が関与しているかもしれないともいわれています。
今日は内容的に少し難しい話だったかもしれません!
皮膚温が低下すると自己身体保持感(身体感覚)も低下してしまい、運動が生じにくくなってしまうというのがポイントです。
これからの時期、身体が冷えやすくなってくるとそういった理由で身体を動かしくくなってしまうことが多くなると思います。
特に脳卒中後で片側に運動麻痺や感覚障害が残っていると一層その影響を感じてしまう可能性があると思います。
前回のブログで書いた食べ物を摂取したり、防寒具をしっかり利用するなどして、身体を冷やさないようにしていくことが大切ですね(o´罒`o)
今日の内容は、度々紹介している森岡周先生の「脳を学ぶ」という本の中から書かせていただきました。
(少しだけ言い回しなどを分かりやすいように変更している部分があります。)
興味のある方は読んでみてください♪(*・ω・)