パーキンソン病の病態とリハビリについて②
2019年11月6日
こんにちは!増田です(◍•ᴗ•◍)
もう11月に入りましたね。
今週中には札幌でも雪がちらほらと降りそうだとニュースで言っていました!
身体を冷やさない、転ばないように気を付けましょう!
今回は、前回に引き続き、パーキンソン病の運動症状とリハビリテーションについて書いていきたいと思います!
パーキンソン病の運動症状には、前回記載したように「安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害、歩行障害、異常姿勢」といった症状が含まれています。
上記の症状が進行し、バランス障害による転倒や、二次的障害としての筋力低下・関節可動域制限・体力の低下という症状が悪化すると、徐々に活動制限が増えてしまいます。
その結果、患者の自立度低下・QOLの低下が生じてしまうのです。
リハビリテーションではこれらの症状に対する介入を行い、患者の自立度や健康を維持・向上、QOLを高めることが可能といわれています。
今日はパーキンソン病の運動症状の一つである「歩行障害」に対するリハビリの中で、
みなさんが自宅でも取り入れやすい・取り組みやすいリハビリを何点かご紹介したいと思います。
パーキンソン病患者さんの歩行の特徴として、「歩行速度の低下」「歩幅の減少」が挙げられます。
ある研究によると、≪音リズム刺激課題≫としてメトロノームを1分間に120回(2Hz)の頻度に設定し、それを毎日最低1時間、「歩行を行わない状態で聴くのみ」という課題を実施したところ、
その課題前後で歩行速度・歩幅の増加がみられたといわれています。
メトロノームの音だけだと飽きてしまうので、この研究のときにはメトロノームの音と一緒にクラシックや動揺の曲を重ねたとのことですが、
それでも歩行速度・歩幅に変化がみられたそうです。
他にも、リズム刺激に合わせてステップ練習をするのと、刺激なしで自分のペースでステップ練習をするのとでは
リズム刺激がある方が歩行能力の改善がみられるという研究結果が出ています。
ご自宅にメトロノームなど、一定のリズムで音を発するものをお持ちの場合は、音楽と一緒に聞いてみたり、リズムに合わせてステップ練習をしてみてはどうでしょうか。
次に、歩行中にみられやすい「すくみ足」についてです。
すくみ足の定義は、
「有効な脚の振り出しが突然できなくなる症状」
「方向転換や歩行開始時に最もよく経験され、狭い空間やストレス・注意散漫においても生じやすい」・・・とされています。
すくみ足の症状は注意機能に深く関係している可能性があり、すくみ足症状が強いほど、
注意制御(注意の分配・切り替えなど)を含む遂行機能が障害されているといわれています。
そのため、「〇〇しながら歩く」というような二重課題の状態になると、歩行能力が増悪してしまうのです。
この点に関しては、コップを乗せたトレイを運びながら歩いたり、
会話をしながら・曜日の逆唱をしながら・一定の数字から7を引き続けつつ歩行をする、といったトレーニングをすることが可能です。
あくまでも「二重課題下でも歩行に注意を向ける」ということが大事になりますので、ご自宅の廊下などで練習をする時は、この点に注意して実施してみましょう。
既にすくみ足の症状が多くみられる方の場合、転倒リスクが高いので上に書いた訓練はお勧めできませんが、
そのような場合は、椅子などに座った状態で足踏みをしながら語想起(頭文字が「あ」で始まる単語を言い続ける、カテゴリーが「果物」に分類される単語を言い続けるなど)をするという方法で実施してみましょう。
単語を考えている間に足踏みが止まらないように注意してくださいね。
他にも、先に書いていた「音リズム刺激課題」のように、リズミカルな繰り返される音に合わせて動いたり、自分で歌を歌いながら・数を数えながら歩くことも
すくみ足には有効とされていますので、日々の生活のなかで取り入れてみると良いと思います。
今日はパーキンソン病の方が自宅で取り入れやすいリハビリについて書いてみましたが、いかがでしたか?
パーキンソン病の症状が軽い時から、このような練習を自宅で取り入れておくと、進行を遅らせることに繋がってくると思います。
症状が強い場合は、ステップ練習や二重課題下での歩行練習は転倒リスクがありますので、自主練習には注意が必要です。
ご家族様など、近くで見守ってもらいながら実施するようにしましょう!(σ * ´v`)σ