歩く ~手と脚のバランスの関係~

2021年10月21日

こんにちは。作業療法士の小笠原です。

気温が下がり、初雪の知らせが届くようになりました。
街中の木々も色付きが綺麗になってきて、紅葉散歩が楽しい季節になりましたね。

 

ということで、本日は「歩く」について。

手と脚のバランスの関係印象についてお話しします。

 

皆様もご存じ、人は四足歩行でした。

四足歩行には、左前足→右後ろ足→右前足→左後ろ足(左右逆のことも)の順番で4本の足をバラバラに動かす歩き方と、側体歩(左の前後の足2本をほぼ同時に前に出し、次に右の前後の足2本を同時に前に出す)などのパターンがあります。

最初に紹介した歩き方は、犬がゆっくり歩く際の歩き方です。

サルは、左後足(右後足)と右前足(左前足)がほぼ一緒にでる歩き方をしています(実際には後足の方が地面に早くついている)。

側対歩で歩くのはキリン、ラクダ、ゾウです。

これらの歩く際の前足と後足の動きには歩行様運動(反射)の影響があります。

 

人が二足歩行に進歩しても、腕の振りが反射神経を通して脚の運動に影響を及ぼしています。

なんと、腕を強制的に動かないように固定しても、腕振りに関連した筋肉の活動が認められました。

 

腕振りを意識することにより、歩幅は広がり、着地時の体幹前傾は小さくなり、膝が伸びてつま先の角度は大きくなり、遊脚期(足をもち上げて前に振り出す時期)のつま先最大高は高くなるという研究結果もあります。

つまり、

腕の振りを大きくすることで歩行やリズムは安定し、つまずく可能性が低くなると言えるでしょう。

 

また、

腕の振り方で歩く速度も変わることも分かっています。

これは、走る際にも共通して言えることですね。

肘は曲げた方が反射神経の反応が良くなるので、肘をしっかりと曲げて腕を振ると、歩く速度を速めることが出来ます。

歩く速度が速くなると、バランスの安定性がより必要になります。

転倒に注意して、自分にあった速度で歩きましょう☆

 

ちなみに、

 

腕の振り方によっては効率だけでなく、歩く印象もかなり変わってきます

4パターンをご紹介します。

 

肘を張り、開き気味に手を引くと、脚も開き気味になり、程好く堂々とした歩き方になります。

 

肘をウエストにつけるようにすると、膝も擦れ合うようにお淑やかな印象の歩き方になります。

 

腕を外側に引くと、体の前に振る時は対角線で内側に入りますから、脚はそれとバランスをとり、内股になります。

脚が前に出辛いため歩幅が狭く、リズムが悪くなりやすいです。腰を軽く曲げると歩きやすくなる歩き方です。

 

逆に腕を背中の中心(内)側に引いてしまうと、前に振り出す時は引いた内側の対角線で外に開き、脚の振りはガニ股になります。

肩も上がりやすく、かなり猛々しい印象の歩き方になります。

 

①②は脚と腕のバランスが良く、③④はバランスが悪い例になります。

は腕の動きに連動するので、

腕はまっすぐ後ろに引くように意識しましょう!

 

服装のように、腕の振り方(歩き方)も自分好みの印象になるように意識するのも楽しいですね☆

通学・通勤のイラスト(私服・男性)